カテーテルで透析していてもお風呂に入れる?【入浴?】【シャワー浴?】【実際の患者さんは?】

「カテーテルで透析をしているけれど、お風呂に入っても大丈夫?」
透析を始めたばかりの方から、このような疑問を聞くことがあります。
透析用のカテーテルが首や胸のあたりに入っていると、
水に濡らしてはいけないの?
湯船につかるのは無理なの?
と不安を感じているる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
結論からいうと、カテーテルでの入浴・シャワー浴については、医学的な根拠が不十分で、透析のガイドラインにも記載はありません。
そのため、実際にはカテーテルで透析をしていても入浴している患者さんはたくさんいらっしゃいます。
ただし、カテーテルの種類や状態、施設の方針によって対応が異なるため、自己判断で入浴するのは避けることが大切です。
カテーテルを使用していて最も気を付けたいことは『感染』です。
今回は、透析用カテーテルを使用している方の「シャワー」「湯船」「温泉」について、それぞれの注意点を分かりやすく解説します。
透析用のカテーテルは大きく分けて2種類
透析時に使用するカテーテルは大きく分けて2種類あります。
- 短期留置カテーテル
- 長期留置カテーテル
名前の通り、短い期間(2週間程度)しか使用できないカテーテルと、長い期間(半恒久的)に使えるカテーテルの2種類です。
入浴が出来るかどうかについて、結論から言うと、
短期留置カテーテル ⇒ 原則入浴禁止
長期留置カテーテル ⇒ 医師と相談すれば可能なことが多い
それぞれのカテーテルについて簡単に説明していきます。
短期留置カテーテル
短期留置カテーテルは、緊急で透析が必要な時など、他に使用できるバスキュラーアクセスがない場合に一時的に使用されるカテーテルです。

短期留置カテーテルは比較的安易に挿入することが出来て、病室や処置室での挿入が可能です。
簡単に挿入することが出来る反面、長期的な使用には不向きのカテーテルです。
短期留置カテーテルを使用していると入浴が原則禁止となるのは以下の理由です。
短期留置カテーテルが原則入浴禁止な理由
〇感染しやすい
当たり前のことですが、水道水が血管内にそのまま入れば、重篤な感染症を引き起こすことになります。
さらに、短期留置カテーテルは、刺入部と血管の距離が非常に近くなっています。

つまり、カテーテルに細菌が付着すると、血管内へ細菌が侵入しやすい構造になっているのです。
そのため、短期留置カテーテルが挿入されたまま入浴やシャワー浴をしてしまうと、
『水道水がカテーテル付近に付着し、菌が増殖して血管内に流入し、重篤な感染症を引き起こす』可能性が高いため、原則禁止となっています。
長期留置カテーテル
長期留置カテーテルは、長い期間(半恒久的に)使用することの出来るカテーテルです。
短期留置カテーテルとは異なり、長期留置カテーテルを挿入するときは、
- 皮膚の下にトンネルを作る
- カテーテルを皮膚の下に通す
- 血管内へ留置する
と、手技が複雑になるため、必ず手術室で挿入を行います。

短期留置カテーテルとの大きな違いは
- カテーテルが皮膚の中を通る
- カテーテルに設けられたカフが、細菌の侵入を抑制する
という点です。

長期留置カテーテルは、このカフのおかげで、感染のリスクを抑えて、長い期間使用することが出来ます。
そのため、長期留置カテーテルを使用している患者さんでも、入浴を過度に制限せず、状態に合わせて入浴を認めている医師や透析施設が多いのです。
実際に長期留置カテーテルを使用している透析患者さんの入浴状況
実際に長期留置カテーテルを使用している患者さん10名に、お風呂はどうしているのか聞いてみました。
- 下半身のみの入浴にしている・・・5名
- 入浴もする・・・2名
- シャワー浴のみで入浴はしない・・・3名
私の職場にいる患者さんのみへのアンケートなので、話を聞くことの出来る人数は少ないのですが、入浴している患者さんの方が多い結果となりました。
防水フィルムつけて入っちゃってるよ。
温泉とかは入れないけどね。
入るよ。
一応カテーテルがお湯につからないように、お湯は少なめにしてる。
濡れるの良くないんでしょ?
怖いから入らないようにしてる。
そんなにお風呂好きじゃないし。
長期留置カテーテルから感染するとどうなる?
カテーテルから感染すると、まずはカテーテルの出口部分に症状が現れることが多いです。
カテーテル感染時の初期所見
- カテーテルの出口周囲が赤くなる
- 出口周囲が腫れる
- カテーテル周囲に痛みや違和感がある
- カテーテルの出口から膿や浸出液が出る
- 皮膚が熱をもっている
- いつもよりカテーテル周囲がかゆい

カテーテルの出口部に違和感を感じたら
カテーテルの出口部に違和感を感じたら、必ず透析施設に相談するようにしてください。
カテーテルは、皮膚を通って血管に直接つながっています。
そのため、感染した菌が、血液内に流入してしまうと、全身に菌がまわってしまい、重症化してしまう恐れがあります。
早期診断・早期治療が非常に重要です。
〇感染していないときの出口部分は、写真に撮っておくと違和感を感じたときに比較がしやすいので、一度写真でとっておくことをおすすめします。
カテーテル透析でも、入浴をあきらめる必要はありません
透析用カテーテルが入っていると、これまで当たり前だった「お風呂に入る」ということにも不安を感じるようになります。
現状では、カテーテルでの入浴・シャワー浴については、医学的な根拠が不十分で、透析のガイドラインにも記載はありません。
そのため、その判断は、患者さんご本人や、透析施設、医師の判断にゆだねられています。
一方で、感染を防ぐことは透析を安全に続けるために非常に重要です。
今日はシャワーを浴びてもいい?
湯船につかっても大丈夫?
など、少しでも疑問があれば、遠慮せず透析スタッフに聞いてみてください。
入浴方法を確認して、カテーテルを守りながら、できるだけこれまでの生活を続けていきましょう。
ただし、感染に対しては、早期発見・早期治療がとても重要です。
日頃から、カテーテルの観察・確認をしっかり行うようにしてください。
それでは、素敵な透析ライフをお過ごしください。



















