透析患者さんは、様々な理由で転んでしまうリスクが高いと言われています。

また、透析患者さんが転んでしまうと、健常者の方に比べて、入院してしまう可能性が高くなります。

私自身も透析患者さんの転倒を目の前で見てしまったことがあります。

ちょっとしたあるあるですが、

「もう帰るよ!俺は大丈夫だから!」

と言っている患者さんほど直後に転んでしまいます。

転倒予防は意識することからです。

本当に気を付けてください。

転んでしまう理由

転んでしまうことは誰にでもあります。

歳をとったり、足が動きにくくなったりすると、当然転ぶ危険性は高くなっていきます。

しかし、透析患者さんには、透析患者さん特有の「転ぶリスク」があります。

透析患者さんが転びやすい理由には以下のものがあります。

透析患者さん特有の転んでしまう理由

  1. 筋肉量の減少
  2. 視力障害
  3. 透析後の血圧低下

①筋肉量の減少

透析患者さんは

  • 食事制限
  • 透析によるたんぱく質の損失(正確にはたんぱく質をつくる為のの損失
  • 透析時間の安静による運動不足

によって筋肉の量が減少しやすいです。

結果、転んでしまうリスクが高くなります。

②視力障害

特に糖尿病をお持ちの患者さんは、網膜症を合併している患者さんが多くいらっしゃいます。

さらに、白内障や緑内障も透析患者さんに多い疾患です。

前が見えづらくなって、転んでしまうケースがあります。

③透析後の血圧低下

透析終了後、血圧が低下した状態で無理に帰ろうとすると、立ち眩みやふらつきで転んでしまうケースが多いです。

透析後の血圧低下のケースでは、上述したこのあるあるが当てはまります。

「もう帰るよ!俺は大丈夫だから!」

本当に気を付けてください。

血圧が下がった後は急いで帰らず、ゆっくり血圧が戻るのを待ってから帰るようにしてください( ;∀;)

入院してしまう理由

透析患者さんは、健常な方よりも骨折しやすいと言われています。

透析患者さんが骨折しやすい理由

  • 骨量の減少
  • 骨質の低下
  • 筋力の低下

そして、骨折の入院の場合、期間が長くなってしまいます。

入院期間が長くなるのはつらいですよね。

例えば、大腿骨(足の付け根のあたり)の骨折の場合。

基本的には入院して、ベッド上で安静にしていなくてはいけません。

しかし、透析患者さんは入院部屋のベットから透析室のベッドに移動が必要です。この時は、透析室のスタッフや病棟の看護師が数名で、

「よいしょ!」

といって患者さんを持ち上げてベットからベットへ移動させます。

医療ドラマで救急搬送された患者さんが「1,2,3!」の掛け声と一緒にやられるあれです。

実際はドラマのようにスムーズにはいきません。結構患者さんに衝撃や負担がかかります。そのため、この時、骨折している透析患者さんは本当に痛そうに苦しそうにしています。

転倒には本当に気を付けてください。

転倒予防

転倒予防は「転ばない環境」と「転ばない身体」をつくることが大切です。

転ばない身体づくり・環境づくりに関しては、理学療法士協会など、さまざまな場所から推奨されています。是非パンフレットなどご一読ください。

さらに現在は、「透析時運動指導等加算」といって、透析中に運動の指導(エルゴメーターなど)を行うと、病院は追加でお金を請求できる制度があるので、実践している施設であれば、積極的に利用してみてください。

※病院によっては実施していない、もしくは実施できないということもあります。ご了承ください。

エルゴメーター

また、透析室での履物にも気を使っていただきたいと思います。

透析室でしか使わんから。

と言って、透析室での履物を、便所サンダルのような転びやすいスリッパを使っている患者さんを見かけます。

便所サンダル

前述もしましたが、血圧低下した透析の後などは特に転びやすくなっています。

災害時も、履きやすく、転びにくい履物をはいていた方が安全ですので、透析用の履物にも少し気を使っていただければと思います。

転倒には要注意!

転倒で入院した透析患者さんは本当につらそうに透析をしています。

転ばない工夫は、これからの透析ライフを快適なものにするために必要な工夫です。

何度も書きますが、まずは転ばない意識が大切です。

転ばないように意識をして、転ばない身体づくりと転ばない環境づくり、是非頑張ってみてください。

それでは、素敵な透析ライフをお過ごしください。

ABOUT ME
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佐藤さん
病院に勤めて15年。 様々な患者や医師、看護師などの医療関係者と関わってきました。 透析の話を中心に、病気の話、患者の話、スタッフの話、病院内での様々な話を投稿したいと思っています。