透析患者さんによって、透析をするときの条件は千差万別です。

患者さんそれぞれの個人差、条件を決める医師の好みによっても全く違う透析条件になります。

そんな透析条件の中でも、今回は血液流量(QB)についてまとめてみました。

血液流量(QB)ってなに?

透析をしていると、透析室のスタッフが、

「キュービー」が~

とか、

「けつりゅう」が~

などと言っていることがあると思います。

これらは血液流量(QB)のことを指しています。

そもそも血液流量とは

1分間にダイアライザーを通過する血液の量

です。

単位は「ml/min」です。つまり、

血液流量が200ml/minならば、1分間にダイアライザーを200mlの血液が通過する

ということになります。

血液流量は、透析患者さんによって千差万別ですが、日本ではおおよそ200ml/min~350ml/minの方が一般的です。

血液流量を変化させると何が変わるの?

血液流量を変化させると何が変わるの?

透析の効率が変わります。

血液流量を上げれば透析の効率は良くなり、

血液流量を下げれば透析の効率は悪くなります。

ここでいう「透析の効率が良くなる」とは、1分間に血液の中のいらないゴミを捨てる量が増えるということです。※ゴミとは腎不全によって溜まってしまった毒素を指します。

難しい言い回しになってしまいましたが、実際はシンプルで、透析はダイアライザーで血液中のゴミを捨てる治療なので、ダイアライザーの中を通る血液の量が増えれば、捨てるゴミも多くなるということです。

血液流量を上げるデメリットは?

患者さんA

血液流量を上げて効率が良くなるなら、血液流量が高ければ高いほど良いじゃないか!

実際にはおっしゃる通りで、血液流量は高ければ高いほど良いということになっています。

ではどれくらいの血液流量を確保できるのでしょうか。

透析は、バスキュラーアクセスに針を刺して、その針から血液を引き込みます。

そのため、その透析の針の太さや長さによって、血液流量の限界値が変化してきてます。引き込むことの出来る血液の量は、当然、細い針よりも、太い針の方が多くなります。

つまり、血液流量を上げるには、穿刺用の針を太くしなければならないのです。

針を太くすることによる痛みの増加や、穿刺に対するストレス、止血の悪さなどについては、私が調べた中では論文にはなっていないようでした。比較するのが少し難しそうですし、研究対象にはしづらいのかもしれません。

痛みやストレスはあくまで患者さんご自身の感覚によるものなので、ご本人が負担を感じないのであれば、太めの針に変更して血液流量を上げることは有効な選択肢になります。

針の太さってどれくらい?

透析に使われる針の太さはG(ゲージ)という単位で表現されます。

G(ゲージ)は、数字が小さいほど針は太く、数字が大きいほど針は細くなります

なお、透析で使われるの種類や太さは以下の通りです。

透析で使われる針の太さ

G(ゲージ数)mm(ミリメートル)AIに聞いた
「身近なものに例えると?」
14G約2.11 mm焼き鳥の竹串
15G約1.81 mmボールペンの替え芯
16G約1.65 mm爪楊枝の持ち手
17G約1.46 mm細めのスパゲッティ

分かりずらいので、AIに「身近なもので例えると?」と聞いてみましたが、あまり参考にはならなかったかもしれません。( ゚Д゚)

ちなみに、採血で使われる針は、23G(0.6mm)くらいが多いと思います。

それに比べると透析の針がいかに太いかが分かりますね( ;∀;)

また、どの太さの針でどれくらいの流量が確保できるのかという点ですが、患者さんのバスキュラーアクセスの状態によって大きく変化します。

さまざまな研究結果がありますが、その結果があまり統一されていないように感じるので、私自身が感じる、ざっくりとした針の太さと血液流量の関係を以下にまとめました。あくまで参考程度にみてください。

針の太さ血液流量
14G・15G300ml/min以上
16G200ml/min~300ml/min
17G200ml/min以下

血液流量が多くなってきたのは最近の変化

余談になりますが、これまでの透析業界では、血液流量は200ml/min~250ml/minが一般的で、300ml/minを超えるような条件はあまり見かけませんでした。

理由は様々ありましたが、

これまでの血液流量に対する誤解

  • 血液流量を上げすぎると身体に悪い
  • 血液流量の設定を上げても実際にはそんなに血液は取れていない
  • 透析効率は頭打ちになるので血液流量を250ml/min以上にしても意味がない

といった考え方が背景にあったためです。

2000年以降、徐々にその考えを否定する研究が論文化され、最近では300ml/min以上に設定している患者さんをよく見かけるようになりました。

これらの研究で、さらに透析患者さんの健康寿命が延びてくれれば良いですよね。

自分に合った流量で、安心できる透析を

血液流量は、取れれば取れるだけ取ったほうが良いという書き方になってしまったかもしれませんが、「血液流量が多いほうが透析効率が良くなる」ということです。

実際には、患者さんの大きさや活動量、食事量によって、適切な血液流量が調整されます。

その中で、血液流量が変わることの意味を知ってくれていれば、一緒に透析条件を考えていくきっかけになるかもしれません。もし気になることがあれば、遠慮なくスタッフに声をかけてください。

それでは素敵な透析ライフをお過ごしください。

ABOUT ME
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佐藤さん
病院に勤めて15年。 様々な患者や医師、看護師などの医療関係者と関わってきました。 透析の話を中心に、病気の話、患者の話、スタッフの話、病院内での様々な話を投稿したいと思っています。
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