透析患者さんにとって、透析をする場所は週に3回以上通うことになるとても大事な場所です。でも透析施設なんてどうやって選べば良いのか分かりませんよね。患者さんの多くは、最初に透析を導入した病院に勧められた施設で透析をしていることでしょう。その施設で満足できていれば良いですが、不満を感じていて透析施設を変えたいと思っている方もいるのではないでしょうか。そんな透析施設を選ぶのに大切なポイントをまとめました。

これから透析導入する予定で、透析を行う施設について不安がある方やそのご家族の方、是非ご一読ください。

通院しやすい

一番大事ですね。雨の日も風の日も雪の日も、週に3回も通うことになる場所なので、自分の生活スタイルに合わせて、アクセスの環境が整っている施設を選びましょう。

以下にいくつか例を挙げてみます。

・仕事をしている人

  • 通勤で使う駅の近くにある
  • 仕事が終わる時間から透析を始めて、十分に透析が出来る時間まで営業している

・仕事をしていない人

  • 家から近い施設
  • 公共交通機関を使用するなら駅やバス停の近くにある施設
  • 車を使用するなら駐車場が併設されている施設

・車椅子を使用しているなど、一人での移動が難しい

  • 送迎のサービスをしている

常勤の医者の診察日が多い

病院でもクリニックでも、透析施設では常勤の医者だけではなく、非常勤(バイト)の医者も診察をします。

非常勤の医者は頻繁に変わるうえ、毎日来ているわけではないので患者さんのことを詳しく知っているわけではありません。

そのため、痛み止めなどの薬の処方はしてくれても、透析時間や透析膜など、透析条件の変更や、定期処方薬の変更などはあまりしてくれません。もちろん対応してくれる医者もいますが、大事な判断は常勤医に任せることが多いです。

常勤ロボ先生

患者さんの様子をみて、透析条件変えたりお薬変えたりするぞ!

非常勤ロボ先生

たまーにしか来ないから、条件とかあまり変えないほうが良いよな。

大事な判断は常勤の先生に任せるぞ。

また、透析中や透析後に気分が悪くなったり、倒れてしまったり、何かイレギュラーなことが起きた場合に、施設のシステムや対応してくれる周りの病院のことに慣れていないことが多く、初期対応が遅れる場合があります。

自分が透析しているクールに、常勤医がなるべく多くいてくれるような環境だと嬉しいですね。

いろんな職種のスタッフが働いている

透析という治療にはいろんな職種の人が関わって働いています。

治療に関わる職種には、医師、看護師、臨床工学技士、栄養士、薬剤師、理学療法士、医療事務、看護助手などがあります。

上に挙げたすべての職種が、常に透析施設にいるわけではありません。とくにクリニックでは、医師、看護師、臨床工学技士、医療事務だけで構成されている施設も珍しくないと思います。その4つの職種だけいれば、透析の治療自体は行えるからです。

それに対して栄養士、薬剤師、理学療法士は治療の質を上げてくれる職種です。これらの職種が常在している透析施設が少ないのは、2024年現在の保険診療における診療報酬があまりにも低く、多くの病院が赤字を計上しているような状態で、どこの病院も医療の質を上げるための人材を確保できないためです。

栄養士、薬剤師、理学療法士は、それぞれ食事、薬、運動のプロなので、彼らに様々なことを教えてもらえることは、元気に透析ライフを送るうえで非常に効果的です。そのため、少しでも多くの職種が働いている透析施設があれば、ほかの施設では教えてもらえない秘密も教えてもらえるかもしれません。

透析施設の近くに夜まで営業している薬局がある

これは主に仕事終わりに透析をしている患者さんが対象になります。

透析中に定期処方以外の薬を処方してもらった時(痛み止め、下痢止め、解熱剤など)、透析施設の近くに夜までやっている薬局がないと、結局次の日に薬局に取りに行くことになってしまいます。定期処方以外で透析中に出される薬ということは、一刻も早く飲みたい薬もたくさんあるので、困ってしまったことがある方も多いと思います。

そんな時、透析終了が夜中になってしまっても薬局が開いていると安心ですよね。さらにネット予約に対応している薬局だとなおありがたいですね!

災害対策がしっかりしている

東日本大震災などのような大規模な災害が起きた場合、以下の理由で透析が出来なくなる可能性があります。

  • 水や電気などインフラ設備が止まる
  • 物流の途絶(ダイアライザーや透析回路、お薬などが届かない)

透析患者さんにとって、透析が出来なくなるということは命に直結します。そのため、災害対策がしっかりしている施設を選ぶというのは、いざという時のためにとても大事なことです。

また、透析中に大規模災害が起きる可能性もあります。もしもの災害、本番で慌てないために、透析中を想定した訓練も必ず必要です。

これから透析施設の見学に行く方や、災害時の対応が不安な方は、災害時の避難経路や連絡ツールなど、災害対策がどのようになっているか確認してみてください。

総合病院とクリニック、どっちで透析?

透析を行う施設には、「外来透析を受け入れている総合病院」と、「透析専門のクリニック」の2種類があります。どちらが良いのでしょうか。

総合病院のメリット

  • 透析中や透析後の急な体調不良などに対応しやすい
  • 採血やレントゲン以外にも様々な検査を手厚くしてくれる
  • 透析医が分からない症状が出た場合、ほかの診療科に聞いてくれる

クリニックのメリット

  • 通いやすさ
  • 待ち時間が短い
  • テレビがついていたり個室があったり、環境が快適!

総合病院のメリットは、透析関連以外の病気にも対応しやすい点だと思います。それに伴って、採血やレントゲン以外の様々な検査も頻繁にしてくれる施設が多いです。

そのため、腎不全以外の病気がなく、仕事をしながらある程度は元気に過ごしているような方はクリニック透析の方が向いていると思います。

また、クリニックのメリットは駅近くに合ったりして交通の便が良かったり、透析環境が快適な点です。

そのため、腎不全以外にも体調に不安な面があったり、透析中や透析後に体調を崩しやすい人は、総合病院で透析をしたほうが良いと思います。

まとめ

以上、透析施設の選び方についてまとめてみました。

実際は透析施設はコンビニのようにあちこちにはないので、そんなに多くの透析施設を見学できるわけではありません。しかし、透析施設をいくつか選べる場所に住んでいるのなら、是非ほかの透析施設も見学してみてください。

主治医の先生にその旨を話せば、紹介状を書いてくれるので、紹介状をもって透析施設に見学に行ってみてください。週3回も通う透析施設なので、やはり自分に合った透析施設を選びたいですよね。

それでは、楽しい透析ライフを過ごしてください。

ABOUT ME
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佐藤さん
病院に勤めて15年。 様々な患者や医師、看護師などの医療関係者と関わってきました。 透析の話を中心に、病気の話、患者の話、スタッフの話、病院内での様々な話を投稿したいと思っています。
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