透析をしていると、看護師さんや栄養士さんあたりから

看護師さん

まーたカリウム高いですねぇ。

ちょっとは気を付けてくださいよ!

とか言われることがあると思います。

ちょっとカリウムが高いだけで、なぜこんなに怒られてしまうのか。

不思議に思う患者さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、カリウムは「突然死」とも関係している、気を付けてほしい検査値なんです。

今回は実は怖い検査値であるカリウムについてまとめてみました。

透析液とは?

まずは透析液について軽く解説します。

透析液は、ダイアライザーに流れている透明な液体のことを言います。(下図)

この透析液には、ナトリウムやカリウム、カルシウムやリンなど、電解質と呼ばれるミネラルが入っています。検査結果などでよく見かける言葉だと思います。

そして、透析をすると、血液中のナトリウムやカルシウムなどの電解質は、透析液の値と同じくらいになっていくのです。

こうして透析でよく言われる「電解質の除去」が行われています。「補正」なんて言葉も使われていると思います。

透析液のカリウム濃度は結構低い

透析液のカリウムの濃度は2.0mEq/Lです。

ちなみに血液中のカリウムの正常値は3.5~5.0mEq/Lなんて言われます。

つまり、透析液のカリウムは血液中の正常値よりも低く、透析をするとカリウムは2.0mEq/Lを目指して補正されていきます。

それには理由があって、以下の理由で透析液のカリウムは低い値に設定されています。

透析液のカリウムが低い理由

  • 透析患者さんはカリウムが高くなりがち
  • カリウムは透析で除去(補正)されづらい

しかし、カリウムは低ければ良いというものではありません。

血液中のカリウムは高くても低くても、命に直結する不整脈を引き起こす怖い電解質です。

突然死のリスク

透析になると、心臓の病気(心疾患)を併発するリスクが高くなります。

理由は様々ですが、主に以下のような心疾患を併発します。

代表的な心疾患

  • 心臓の血管が詰まる(心筋梗塞)
  • 心臓の弁の機能が低下する(弁膜症)
  • 不整脈

ちなみに、この心臓の病気は、透析になっていない方々にも多い病気です。

ただ、腎不全によって透析を導入すると、そのリスクが高くなるという研究結果が出ています。

そして、このような心臓の病気を併発していると、突然死のリスクは高くなるといわれています。

カリウムは高くても低くても危険

「突然死」という言葉は強く聞こえますが、実際には透析の有無にかかわらず、誰にでも起こりうる体のトラブルのひとつです。

そのため、そこまで身構えずに読んでいただければと思います。

「突然死」には、

  • 原因が心臓によるもの
  • 原因が心臓以外のもの

の二種類に分けられます。

透析患者さんの突然死に多いのは、「原因が心臓によるもの」とされています。

原因が心臓によるもののなかで、最も多いとされているのが、「致死性不整脈」と呼ばれるものです。

致死性不整脈

  • 心臓の動きが遅くなる(徐脈:心停止など)
  • 心臓の動きが速くなる(頻脈:心室細動など)

これらの致死性不整脈の原因には、今回のテーマである「カリウム」が大きく関与しています。

致死性不整脈を誘因する原因

  • カリウムが高い
  • カリウムが低い
  • 透析による急激な血液中カリウム値の変化

腎臓が元気に働いている人なら、カリウムなどの電解質は腎臓が自然とバランスよく整えてくれます。

しかし、透析患者さんは、腎臓によるカリウムの調整が出来ないため、透析によって調整する必要があります。そのため、カリウムが高くなってしまったり、低くなってしまったりしまいます。

また、上述した通り、透析液のカリウム濃度は低い値に設定されています。

つまり、血液中のカリウムが高い状態で透析を開始すると、急激にカリウムの濃度が下がってしまい、不整脈を誘発するリスクが高くなってしまいます。

透析前のカリウム濃度は、6.0mEq/L未満に抑えることを目標にするとされています。ただし、低すぎても危険なだということも、意識してください。

高くても低くても危ないとか大変すぎる!!!

致死性不整脈への対策

不整脈が原因となる突然死を防ぐための対策には以下のものが挙げられます。

  1. 動悸やめまいの症状を意識する
  2. 検査を充分にする(特に12誘導心電図)
  3. カリウムに気を付ける

①動機やめまい

不整脈の2大症状は「動悸」と「めまい」と言われています。

「動悸」がおこると脈が飛んだり、ドキドキしたり、胸部の違和感を感じたりします。

一方で「めまい」がおこると、目が回ったり、目の前が暗くなったり白くなったり、意識を失いそうになります。

これらの症状は、いつから出ているのかや、どれくらい続いたのかなど、なるべく詳しく覚えておいて、その旨を医師や看護師に伝えてください

②検査を充分にする

症状がでたら必ず検査をすることになると思います。

しかし、症状が出ていなかったとしても、定期的な検査はとても重要です。

心臓の動きは日々変わっています。動きが悪くなったり、リズムが悪くなったりします。

そのため、検査は定期的しっかり受けてください。

特に12誘導心電図では多くの情報が分かります。痛くない検査なので、怖がらずにどんどん受けるようにしてください。

③カリウムに気を付ける

あとは、患者さんの私生活で意識していただくしかありません。

上述したとおり、突然死の多くは致死性不整脈と言われており、致死性不整脈の原因はカリウムです。

突然死というくらいなので突然やってくる怖いトラブルです。

甘く見ないで、普段の生活で少しでも気を付けていただければと思います。

カリウムだけは少し気を付けてほしい

透析患者さんは、私生活で制限が多く、不便なことも多いと思います。

そのため、個人的には、羽目を外したり、多少制限なんか気にしない方が楽しい透析ライフを送れると思っています。

しかし、カリウムだけは少し気を付けてほしいなと思っています。

高すぎても低すぎても危ないという、とても難しい値ですが、よろしくお願いいたします。

もしそれでも好きなものを好きなだけ食べたい!という方は、心臓の検査をたくさん受けるようにして欲しいと思います。

突然死のリスクだけは減らして、素敵な透析ライフをお過ごしください。

ABOUT ME
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佐藤さん
病院に勤めて15年。 様々な患者や医師、看護師などの医療関係者と関わってきました。 透析の話を中心に、病気の話、患者の話、スタッフの話、病院内での様々な話を投稿したいと思っています。
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