透析室のヒヤリハット!

ヒヤリハットとは、重大な事故や災害には至らなかったものの、一歩間違えれば事故につながりかねない「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりする出来事を指します。
ヒヤリハットは、事故を未然に防ぐための重要な手がかりであり、病院内においては、リスクマネジメントとして非常に重視されています。
透析室の仕事は基本的にはほぼルーチンワークです。「生命維持管理装置」と呼ばれる機械を扱う業務の中では、最もシンプルな業務です。
しかし、その分、業務が機械的になってしまうため、細かいミスが出やすい業務でもあります。
シンプルな業務ですが、細かなミスが患者さんにの安全に直結する業務。「ヒヤリハット」には十分注意しているはずですが、どうしてもミスは起きてしまいます。
今回は、透析室で起こりやすいヒヤリハットについてまとめました。
透析室で良く見るヒヤリハット
- 「運転」入れ忘れ
- 注射忘れ
- 採血とり忘れ
- 除水の設定ミス
- 体重測定ミス

「運転」入れ忘れ
透析は、装置に透析液がきちんと流れていることで初めて成立します。
透析装置には「運転ボタン」があり、装置の運転ボタンをONにすることで透析液が流れ始めます。そのため、運転ボタンがONになっていないと、実際には透析が行われていないことになります。
透析中に警報が鳴ったり、トイレで一時離脱したりすると、透析液の流れが止まり、装置の運転もいったん中断されます。そのため、本来であれば、警報に対応した後や、トイレから戻って透析を再開するときは、必ず「運転」ボタンを押さなくてはならないのですが、この運転ボタンを押し忘れてしまうヒヤリハットです。
すぐに気づけば良いですが、30分以上気づかないケースもあったりします。
そうすると30分以上透析が行われていないことになるので、患者さんは透析時間を延長しなければなりません。早く帰りたい患者さんもいるなかで、気を付けなければいけないミスです。
エラー不快指数(異論反論は受け付けます)
患者さんの不快度…★★★★☆
周りのスタッフの不快度…★★★☆☆
注射忘れ
透析では、透析終了後に様々な注射をいれる患者さんがいます。
貧血の薬だったり、かゆみ止めだったり、様々です。
この注射、ちゃんと入ってますか?
透析終了後は、返血という操作に入り、その時に注射を入れていきます。返血操作自体は大した操作ではないのですが、記録をしたり、血圧を測定したりしている間に、薬のことをすっかり忘れてしまうヒヤリハットです。
穿刺針を抜いた後にこのミスに気づいた場合は、次回の透析で注射を入れることになります。しかし薬によっては、看護師さんに注射用の針を刺してもらうこともあります。
患者さんに針を刺すことになってしまうと、とても落ち込むエラーです。
エラー不快指数(異論反論は受け付けます)
患者さんの不快度…★~★★★☆☆
周りのスタッフの不快度…★★★☆☆
採血採り忘れ
透析患者さんは、月に1~2回、透析前か透析後に採血をします。
この採血を忘れてしまうヒヤリハットです。
毎回ではなく、月に1~2回と頻度が低いため、つい抜けてしまうことがあります。
採血の日は透析施設で決まっていることが多く、週の初めに取ることになっていると思います。この採血を取り忘れてしまうと、次の週中日の透析時に採血をとることになると思います。
しかし、採血はやはり毎回決まった条件でとることが望ましいので、正確な採血データを取るために起こしたくないエラーです。
エラー不快指数(異論反論は受け付けます)
患者さんの不快度…★☆☆☆☆
周りのスタッフの不快度…★★★★☆
除水の設定ミス
透析開始時の飲水加算や食事加算、ドライウェイトの変更などによって、その日の除水量と除水速度を変更しなければならないときがあります。
その設定の変更を間違えて設定してしまったり、そもそもその設定の変更を忘れてしまうヒヤリハットです。
この患者さんの除水変更しといてくれる~??
手が空いたら変更しときまーす!
このパターンでそのまま忘れることが多い気がします。
指示を受けたらすぐに設定を変えなくてはいけません。
このミスが原因で除水をしすぎてしまって、その結果、血圧が下がってしまったら大問題です。除水関連のミスは本当に減らさなければいけません。
エラー不快指数(異論反論は受け付けます)
患者さんの不快度…★★★★★
周りのスタッフの不快度…★★★★☆
体重測定ミス
透析治療では、透析前後の体重測定は必須の工程になります。
基本的には、毎回決まった服装や履物で体重を測定するのですが、ポケットに何か重いものが入っていたり、いつもと違う服装だったりすると、体重がずれてしまうことがあります。
これに気づかず、誤った体重で透析を開始してしまうヒヤリハットです。
このエラーは入院している患者さんで特に起きやすいです。
特に骨折などで入院中の患者さんはギプスの着脱があったりして、その重さの扱いや情報共有の行き違いから起こることも少なくありません。
このエラーも、設定のミスで除水をしすぎてしまい、血圧が下がってしまう可能性があるので、本当に気を付けなければいけないヒヤリハットです。
スタッフ側からしても、体重がズレてしまっている原因を探すのがとても大変です。( ゚Д゚)
エラー不快指数(異論反論は受け付けます)
患者さんの不快度…★★★★★
周りのスタッフの不快度…★★★★★
その他、重大なヒヤリハット(アクシデント)
抜針事故
穿刺がうまくいかず、針がやや浅めに入っていた患者さんでした。
透析中に入眠しており、寝返りと同時に針が抜けてしまいました。
すぐに気づいたので大事故には至りませんでしたが、気づくのが遅れると大惨事につながる事故でした。
自己抜針
認知機能が多少低下している患者さんでした。
手足の拘束をするほどでもないと判断して、手足をフリーの状態で透析を開始。
透析中にだんだん不穏になっていき、ついには突然透析の回路を掴んで引っ張って針を抜いてしまいました。
警報が鳴って透析は止まりましたが、回路を振り回していたため周りは血だらけに。
当該患者さんの危険ももちろんですが、近くに患者さんがいて、血がかかってしまっていたら院内感染などの危険もあり、非常に怖い事故でした。
それでも透析中の拘束は少しかわいそうであまりしたくないのが本音です。

ヒヤリを減らして、もっと穏やかな透析へ
病院でのヒヤリハットは、エラーを起こした本人を責めるためのものではなく、みんなで安全を育てるための大切な“気づき”です。
患者さんには迷惑をかけてしまっていて、大変申し訳ない気持ちです。しかし、起きたエラーを病院で共有して、患者さんが安心して透析が出来るように、皆で協力して頑張っております。
しかし、いくら気を付けてもエラーは必ず起きてしまいます。そのため、患者さん自身の安全のためにも、我々スタッフをしっかり監視しておいてください( ;∀;)
実際、私のミスを患者さんに気づいていただいた経験もたくさんあります。
なにかいつもと違うな、変だなと思ったら、優しく教えていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
それでは素敵な透析ライフをお過ごしください。

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