初めての透析に挑む患者さんへ

間もなく初めての透析に挑むことになっている患者さんへ。
透析を導入するにあたって、不安なことが多いと思います。
初めて透析をする患者さんは、皆さん例外なく緊張した面持ちで透析室に来室されます。
そんな患者さんの不安が少しでも和らぐように、透析を始める前に知っておいてほしい心構えと、基本的な知識をお伝えできればと思っています。
穿刺について
透析は、一番最初に太めの針を2本刺します。
透析の最初の難関といって良いかと思います。
まずは穿刺のあれこれをまとめていきたいと思います。
穿刺は痛いの?
初めて透析に臨む患者さんの多くは
「針を刺すんですよね…痛いんですか」
と心配そうに聞いてきます。
結論から言うと、本当に人によります。
おそらく痛み止め用のテープを貼ってくれると思いますが、そのテープの効果も人それぞれです。
痛みに強い患者さんは
あぁ…思ったより…痛くなかったっす。
と、いうくらいです。
ただ、最初の穿刺は、あまり痛がらない人でも多少は痛みを感じるようで、全く痛くないということはなさそうです。
それに対して、痛みに弱い患者さんは、
いっってぇぇぇぇぇ!!!
と、叫び声をあげたり、あまりの痛さに腕を動かしてしまう患者さんもいます。
一応、私自身も後輩の練習台として何回も針を刺されてきました。人生での一番痛い思いをレベル10としたとき、透析用針で刺された時の痛みは3くらいでした。痛み止めのテープを貼った時はほぼ無痛でした。
穿刺は不安で怖いと思いますが、どうしても針を2本刺すという処置は必要になってしまいます。どうかご理解ご協力のほど、お願いいたします。
穿刺の必要がない透析技術が開発されればと祈るばかりです…

穿刺はずっと毎回こんなに痛いの?
初回の穿刺がとても痛いと感じた患者さんからは
こんな痛いこと週3回もやるの??
と聞かれることが多いです。
ですが、透析の回数を重ねるごとに痛みが弱まっていく患者さんが多いです。
患者さんに聞くと、
痛みに慣れちまったよ。
とおっしゃる方が多いです。
また、とある医者からは、
シャントの手術をした後は、炎症反応が起こっているので、その周囲は神経が太くなるんだ。だから最初の穿刺は痛いんだ。
と聞いたことがあります。本当に確かなことは誰も知らないと思いますが、穿刺の回数を重ねるごとに徐々に痛みが落ち着いていくのは確かなようです。

最初の穿刺の後は、内出血で青くなる。
初回の穿刺は、たとえうまくいったとしても、青く、内出血してしまうことが多いです。
シャントの手術後は血管が脆くなっており、針を刺すと針の周囲から血液が漏れてきてしまいます。
内出血にならない患者さんもいらっしゃいますが、半数以上の患者さんが内出血を作ってしまいます。
時間の経過とともに吸収されていくので、少し見た目は悪くなると思いますが、ご容赦ください。
透析用の針の太さ
初回の透析では、ほとんどの施設で「17ゲージ」という針を使用すると思います。
直径が1.mm程の太さで、爪楊枝よりは少し細いくらいです。( ゚Д゚)
透析が長くなると、透析の効率を上げるために針が太くなっていく患者さんもいます。
最大で「15ゲージ」という針を使用します。
直径が1.8mm程の太さで。ほぼ爪楊枝です。( ゚Д゚)

シャントについて
透析を導入する前に、「バスキュラーアクセス」というものを作ると思います。いわゆる「シャント」と呼ばれるものです。
主に利き腕と反対側の腕に作ります。
局所麻酔(起きたままで、痛みだけ感じなくなるようにする麻酔)を使用して、手術室で作ります。
血管にもよりますが、2~4時間くらいの手術です。
この手術をすると、徐々に血管が太くなってくるので、太くなった血管に穿刺をします。だいたい2週間程度たたないと、透析には使えないとされています。(例外はあります)
この手術は、医者の指示に従って、透析を導入する予定日より、余裕をもって作成してください。
透析を開始するのが嫌で、このシャントの手術をギリギリまで拒否する患者さんもいらっしゃるのですが、本当にお勧めしません。
シャントの作成が間に合わないと、首からカテーテルという透析の針よりはるかに太くて長い管を入れられて透析をすることになります。
そして、透析を導入してからシャントの手術をすることになります。
そうすると早くても1か月程度の入院が必要になってしまいます。シャントがうまく育たなかったり、閉塞してしまったりするとさらに入院期間が長くなってしまいます。
しっかり予定を立てて、導入前にシャントを作っておけば、1週間程度で退院できます。
また、シャントがうまく育たなかった場合も、慌てずに対応することが出来ます。
シャントの手術を早くすることによるデメリットもあることはあるのですが、シャントに関しては、医師の指示に従い、適切な時期に作成することを強く推奨します。
透析の導入はギリギリまで拒否しても、シャントの作成は拒否しないでくださいね。(^^)

透析中は動いちゃいけないの?
穿刺が終わって、いざ透析が始まると、スタッフからは
あんまり動かないでくださいね~
など言われたりするかもしれません。
それでなくても、初めての透析に臨む患者さんは、カチコチに緊張してて、微動だにしない患者さんが多いです。
そんな患者さんは、透析後に
ずっと動けなくてツラかった~!
とおっしゃることが多いです。
実際は、シャントに入っている針が抜けなければ動いても全然大丈夫です。
透析に慣れてくると、透析中にご飯を食べたり、仕事をしたりする患者さんもいるくらいです。
針さえ抜けなければ、体勢を変えたり、少しベットの角度を変えてもらったり、スマホいじったりしていただいて大丈夫です。
ただ初回透析の患者さんがめっちゃ動いていると、スタッフも不安に感じるので、動きすぎると
どうしました!?大丈夫ですか!?
シャントの腕はあまり動かさないでくださいね!
と飛んできてしまうスタッフがいると思いますが、ご容赦ください。
あと、あまり動きすぎると、透析装置から警報が鳴ります。基本的には問題ないですが、警報が鳴っている間は透析が止まってしまい、透析の終了が遅くなってしまいます。
なので、警報が鳴らないくらいの動き方を徐々に極めていってくださいね。(^^)

透析中は具合が悪くなったりするの?
昔は「不均衡症候群」と言って、透析に慣れていない人が透析をすると、頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりすることがありました。
しかし、最近の初回透析の患者さんについては、具合が悪くなる方はほぼいません。
技術の進歩のおかげです。
そのため、透析中に気分不快になるかどうかについては心配しなくて良いかと思います。
透析中にトイレに行きたくなったらどうするの?
透析導入の時期の患者さんは、まだある程度おしっこが出る患者さんも多くいらっしゃると思います。
トイレについては、行きたくなったら透析を一度離脱して行かせてくれる施設と、行かせてくれない施設があります。
入院してる患者さんに対しては、治療中のトイレは危険という理由で、トイレに行かせてくれない施設もたくさんあります。
トイレ禁止の施設では、基本的にはベットの上で差し込み便器を当てられて、
この状態でおしっこしてくださ~い
と言われます。
慣れてないと大変ですよね。特に男性は、解剖学的に横になったままおしっこするのがとても難しいので、
おしっこしたいのに出来ない~!!
という方もたくさんいらっしゃいます。
そのため、トイレについては透析前になるべく済ませておいた方が無難です。
でも透析するとトイレに行きたくなる方いっぱいいるんです。尿意なんかはコントロールできるものでもないので、おしっこしたくならないように祈るしかないのかもしれません…。

透析中の暇つぶし
初回の透析は3時間で行っている施設が多いと思います。
維持透析の施設に転院した後は、徐々に透析時間が増えると思いますが。
維持透析のためのクリニックなんかでは、テレビやタブレットなど、暇つぶしのアイテムが充実している施設が多いかと思います。
しかし、透析を導入する病院では、透析装置とベットが置いてあるだけの味気ない透析室で透析を行うこともあります。テレビくらいは置いてある施設もありますが、運任せなので無いと思っていた方が良いでしょう。
そのため、携帯電話や本、ラジオなど、暇をつぶせるアイテムを持ち込む準備をしておいてください。携帯電話は電波が入りづらいこともあるので、暇つぶしのアイテムはいくつか持ち込んだ方が無難だと思います。

緊張しすぎないで
針を刺されて、ベットの上に3時間以上寝かされて、
「透析なんか大したことないよ」
とは言えません。
しかし、透析の手技は広く定着しており、事故は起きにくい治療です。
また、もし何かあれば、声が届く場所に必ずスタッフがいるのであまり怖がらず、緊張しすぎないように、リラックスして初めての透析に挑んでいただければと思います。
初めての治療でリラックスしろはなかなか無理難題かもしれませんが、分からないことがあれば何でもスタッフに聞いて、少しでも安心して透析を受けてくださいね。
それでは、素敵な透析ライフをお過ごしください。

これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。




















