透析患者さんが口にする”透析室の不満”とは?

透析患者さんは、週に3回以上、透析施設に通って透析を行います。そのため、透析施設のスタッフとはそこらの親戚よりもはるかに頻繁に顔を合わせることになります。
「医療従事者と患者が週3回のペースで顔を合わせて治療を行っている」というなかなか特殊な空間の透析室。そんな透析室では色々な人間関係が築かれていきます。
今回はその中でも、仕事中に患者さんからよく頂戴していた「透析患者さんから透析スタッフへの不満」についてまとめてみました。
穿刺の待ち時間
透析という治療は、穿刺をしないと始まりません。
患者さんが来院したら、スタッフが穿刺をして、それから透析が始まります。
施設の規模やスタッフの数にもよりますが、この穿刺で待たされてる患者さんは多いのではないでしょうか。特に総合病院で透析を行っている患者さんは、穿刺で待つことが多いかもしれません。
著者が勤めていた総合病院では、最大で1時間半患者さんを待たせていたことがあります。そりゃ怒るよねというお話ですが。
暇そうに見える?
スタッフ側としては、一応最善を尽くして穿刺をしているつもりなのです。来院した患者さんから順番に順番に、どんどん針を刺して透析を開始していきます。しかし、スタッフが少なく、患者さんが多い透析施設だと、いくら針を刺してもなかなか全員始まりません。
さらに道中、穿刺失敗してしまうこともありますね。そうなるともう泥沼です。なかなか次の患者さんにいけません。そうしていくうちにどんどん他の患者さんの待ち時間が長くなっていくのです。
患者さんから見ると、また別の景色が見えているそうです。
「お待たせしてすみません」
と入ると、
「あそこでずっとおしゃべりしてるやつおるやろ!あいつは刺さんのかい!」
とお𠮟りをいただいたことがありました。
透析室では、透析治療の他に事務作業を行うスタッフもいて、そのスタッフがナースカウンターで楽しそうにおしゃべりしていると、どうしてもそこに目が行くということでした。
その光景は、色々な透析施設で目にします。お気持ちは大変分かります。一応、そういうときは雑談だけではなく、仕事の話をしているか、仕事をしながらすこーし雑談しているんだと思いますと小さな声で弁明しておきます。

ちょっと具合が悪いだけで条件変更?
透析室のスタッフは、来院した患者さんの体調を聞き、血圧を見ながら医者の回診前の問診をします。主に看護師さんが行うことが多いと思います。
多くの場合は、なにも変更することはないのですが、少し具合が悪くて血圧が低かったりすると、
「ここぞとばかりに透析条件やドライウェイトを変えようとするよねー」
と不満をいただいたこともあります。
患者さん本人としては、少し具合が悪くて血圧が低いだけだから、ちょっと様子を見たいだけなのにそんなに大騒ぎしなくても…ということでした。
「ドライウェイトがあってないのかしら」
「お薬の量は大丈夫?」
「ちゃんと食べてる?」
まぁ確かに透析室で良く聞く言葉だなぁと感心しました。
たしかに透析に慣れてしまうと、看護師さんの問診が煩わしく、雑に答えてしまう患者さんも多くいると思います。しかし、この辺は患者さんを心配しての言葉ですので、しっかり答えて、コミュニケーションをとっていただいたほうが有益なのかなと思います。
看護師さんが少ない透析クリニックなどでは、看護師さんの問診が行われていない施設もあります。看護師さんが週に3回も体調を聞いてくれるなんて、本当はありがたいことなのです。
新人の看護師さんだと、「先輩に怒られるから少しでもたくさん質問しないと!」という意識のもと、色々聞いてくることもあるかもしれませんが、それはそれで、しっかり答えてあげてくださいね。

説明がコロコロ変わるースタッフの知識大丈夫?
ベテランの透析透析さんになると、新人のスタッフくらいだったら、患者さんのほうが透析の知識があったりします。
なので、長年透析をやっている患者さんからは、答えに迷ってしまうような質問が飛んできたりします。曖昧な知識で答えてしまったりすると、後日、
「他のスタッフに同じこと聞いたけど、全然違う答え帰ってきたよ。どっちが正しいの?大丈夫なの?」
というお叱りをいただいてしまいます。
まだ若いと、難しい質問がきたとき、変なプライドが邪魔して少し曖昧な知識でも無理やり答えようとしてしまうんですよね。透析以外の場所だとそれでも通用してしまったりするのですが、透析患者さんに対しては全く通用しませんね。面目次第もございません。
年数を重ねてくると変なプライドはきれいさっぱりなくなって、
「分かりません!聞いてきます!」
とはっきり言えるのですが。まぁ恥ずべきことですが、曖昧に回答するよりはよっぽどマシです。昔の自分にアドバイスしてあげたいです。
ただ、こういう話は透析に限った話ではなくて、知識や理解に一貫性がないことは病院では良くあることだと思います。だからセカンドオピニオンなんて言葉もあるわけで。
この記事を読んでくれている患者さんがいれば、治療のことで何か疑問があったら、複数のスタッフに聞いてみたほうが良いかもしれません。
医学はどんどんアップデートされているので、医療従事者が全員同じ知識を持っていることはないです。中には勘違いした知識を持っている人もいると思います。なので、遠慮せずにどんどん質問してあげてくださいね。
そして答えが違っていたらそっと教えてあげてください。そのほうがスタッフも勉強になると思います。

常勤医がいない
忙しいお医者さん。なかなか会えないですよね。
「常勤の医者に聞いてほしい話があったのに、今日は非常勤の先生だった」
なんて不満は良く耳にしました。
そしてそれは、スタッフも同じ気持ちです。医者を透析室に常在させたいと願っています。
クリニックでは、常勤の先生は決まった時間にいてくれるのでありがたいのですが、総合病院だとなかなか捕まえられません。
病院では、透析室の担当医は「腎臓内科」の医者がやっていることが多いと思います。「透析科」の医者ではないため、当然、外来診察にも出るし、病棟勤務にも従事しています。
外来診察中は電話もかけづらいですし、電話してもすぐ来てくれるわけではありません。病棟でもトラブルがあれば、透析室は後回しにされることが多いです。
ただ、これらのことは病院のルールで決まっていることなので、医者を透析室に常在させることは、なかなか難しいことだと思います。
なので、常勤医に会えないことに強い不満をもっている患者さんがいるのであれば、透析施設を変えるくらいしか解決策が思いつきません。施設を変えるのは、気軽にできることではないですが、出来ないことではないので、看護師やその他スタッフに聞いてみてくださいね。
寛大な心で
透析をしていると、病院という場に慣れてしまい、医療従事者の未熟な部分や、病院のずさんな部分がたくさん見えてきてしまい、不満や不安を抱えてしまうことも多々あるかと思います。
それでも、日本の透析は世界で一番進んでいます。
移植が少ないからという理由はありますが、それでも社会保障制度がしっかりしている日本だからこそ、高額な医療を何人もの患者さんが受けることが出来ており、日本の透析がどんどん進歩しています。
不満や不安はたくさんあると思いますが、世界で一番の治療を受けていると思って、寛大な心で我々スタッフや病院の未熟な部分を許してあげてください。
それでは楽しい透析ライフを過ごしてください。

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